(株)ブリヂストンと味の素(株)、バイオマス由来の合成ゴムを共同開発
「100%サステナブルマテリアル化」の実現に向けて
2012年5月31日
株式会社ブリヂストンは、タイヤ用合成ゴムの共同開発を行っている味の素株式会社より、バイオマスから生成したイソプレン※1の提供を受け、合成ゴム〔高シスポリイソプレン(以下IR※2)〕の重合※3に成功しました。
世界の自動車保有台数の増加に伴い、タイヤ需要の拡大が見込まれる中、「持続可能な」社会を構築するために、資源の循環利用や再生可能資源の利用拡大に寄与する技術やビジネスモデルの開発を推進していくことが、当社グループの責務であると考えています。
【(株)ブリヂストンと味の素(株)の共同研究における役割分担とマテリアルフロー】

当社グループは現在、2050年を見据えた「100%サステナブルマテリアル※4化」の実現に向けて、様々な取り組みを行っています。原油由来のIRは市場での供給量が限られており、持続可能な原材料調達に向けて、再生可能な資源から原材料を調達する方法を探ってまいりました。今回、重合に成功したIRは、世界最先端の発酵技術を持つ味の素(株)がバイオマスから生成したイソプレンを使用しており、当社が目指す「持続可能な」社会の実現に大きく貢献することができます。また、このIRはバイオマス由来のイソプレンを当社独自の重合触媒※5技術を用いて反応させており、IRに求められる実用的な性能を満足することも確認できています。
IRは天然ゴムの一部を置換することができるため、バイオマス由来のIRは原材料多様化の手段として期待されます。当社は今後、IR生成技術の進捗に併せてゴム物性の確認を進め、重合触媒技術をさらに高めることにより、より高機能なIRの開発を目指してまいります。
当社グループは、「天然ゴム」だけでなく「合成ゴム」においても様々なバイオマテリアルの研究開発を通じて、地球上の資源を有効に活用し、リデュース、リユース、リサイクルを進めることを前提としながら、あらたに投入する資源はサステナブルであるべきと考え、タイヤの原料を「100%サステナブルマテリアル化」することを目指していきます。
※1 合成ゴム(IR)の原料。常温では揮発性の高い無色の液体。
※2 イソプレンを化学反応させて得られる合成ゴム(IR)のこと。
※3 簡単な構造をもつ分子化合物が2つ以上結合して分子量の大きな別の化合物を生成する現象、またはその反応のこと。
(例)イソプレンが重合反応を起こし、生成されたものがポリイソプレン。
※4 化石資源などのように、消費を続けるといずれ枯渇することが予想される資源以外のもの。
※5 ポリイソプレンの生成反応を早める効果がある薬品
1.重合に成功した合成ゴムの概要
・原材料にバイオマスを使用
・味の素(株)が発酵技術を活用し、イソプレンを生成
・当社の重合触媒技術を使って、合成ゴムの重合に成功

バイオマス由来の合成ゴム(高シスポリイソプレン)
株式会社ブリヂストン 概要
(1)代表者 | :代表取締役CEO 津谷正明 |
(2)所在地 | :東京都中央区京橋1-10-1 |
(3)設 立 | :1931年3月1日 |
(4)売上高 | :3兆243億円(2011年12月31日現在) |
(5)従業員数 | :143,124名(2011年12月31日現在) |
(6)事業内容 | :「タイヤ部門」タイヤ・チューブの製造・販売、タイヤ関連用品の販売及び自動車整備・補修 「多角化部門」化工品、スポーツ用品、自転車の製造及び販売、その他各種事業など |
味の素株式会社 概要
(1)代表者 | :取締役社長 伊藤雅俊 |
(2)所在地 | :東京都中央区京橋1-15-1 |
(3)設 立 | :1925年12月17日(創業:1909年5月20日) |
(4)売上高 | :1兆1,973億円(2012年3月31日現在) |
(5)従業員数 | :28,054名(2011年10月1日現在) |
(6)事業内容 | :調味料、加工食品、アミノ酸、医薬品、化成品の製造・販売 |